27日投開票の衆院選。熊本4区の終盤の戦いぶりを追いました。
熊本4区は、八代郡市、天草郡市、宇土市、上天草市、宇城市、人吉市、水俣市、下益城郡、葦北郡、球磨郡で、面積が東京都のおよそ2倍という広い選挙区。自民党の前職に立憲民主党の新人、日本維新の会の元職が挑む構図となっています。
矢上候補
「物価も上がり、そして消費税も上がり、社会保険料も刻々と上がってきております。4千万も3千万も裏金をもらわれて、税金も払われない政治家の方から増税を押し付けられるのは、まっぴらごめんです」
日本維新の会の元職、矢上雅義候補。前回の衆院選は立憲民主党から出馬しましたが、落選後、党の支部長に再任されず、維新に移籍。政治改革に向けて、企業団体献金の廃止や政治資金パーティーの全面禁止を訴えます。
衆議院の解散翌日には馬場代表も応援に駆け付けました。
馬場代表「国会議員の経験もある。今後通していただければ、即戦力。すぐに熊本のみなさまのお力になれる」
選挙戦で会った中山間地の高齢者が畑で育てた野菜を家計の足しにしている話を引き合いに、消費税の減税や食料品のクーポン券制度など低所得者への経済的支援も主張しています。
矢上候補
「今年の新米から、お米の値段も1.4倍から1.5倍に上がりました。ますます家計を苦しめております。このような物価高の対策も必要でございます」
今後は米の自給力の強化など農業政策の訴えにも力を入れたいとしています。
金子候補
「この広い、日本を支えている農村地域であり、少子高齢化が進んでいる地域を守っていくには、県議のみさなん方、村長村議のみなさん方、一緒になっていくしかないんです。この一番大切な時に我々が負けるわけにはいかない。これからが勝負の時なんです」
9回目の当選を目指す自民党の前職、金子恭之候補。岸田内閣で総務大臣を務めた前回の衆院選は応援演説で全国を回っていましたが、今回は地元に集中。24日までに広大な選挙区内の21市町村すべてで街頭演説し、地方創生の実現を訴えました。
高校の後輩にあたる松村前防災担当大臣も応援に入りました。
松村前大臣
「地方の再生なくして日本の再生なし。このことを総理より先に言っていたのは金子先生であります」
一方、政治資金をめぐる問題で、全国的に自民党への逆風が強まるなか、国民に政治不信を招いていることを陳謝しました。
金子候補
「制度の改正も含めて、皆さん方、国民に向かい合って、信頼回復ができるように努力していきたいと考えております」
支持者からも「今回は選挙にいかない」などの声を聞いているとして、信頼回復を粘り強く訴える考えです。
笹本候補
「国や県とのパイプを重視する、そのことを声高に言う政治でありました。市民の声が届かないパイプなら、詰まっているか腐っている。だからそのパイプを取り換える。次の世代に安心安全、そして豊かな社会を送っていきたいと思います」
立憲民主党の新人、笹本由紀子候補。渋谷区議などを経て、今回、国政に初挑戦します。
最も力をこめて訴えるのは自公政権が進めてきた政治からの転換。水俣病問題の解決や、住民の目線を大切にした熊本豪雨からの復興実現を主張しています。
連合熊本の友田孝行会長も公示日に支持を呼びかけました。
友田会長
「また自民党が勝つようなことがあってはならず、何事もなかったかのようにさせてはなりません」
野党同士がぶつかり合う構図について「維新は第二自民党だ」と指摘。石破政権への批判票を集めたい考えです。
笹本候補
「皆さんの生活はどんどん苦しくなる。よくなる兆しもない。笹本由紀子、私、しゃべるの大好きです。私を国会でしゃべらせてください。皆さんの思いを必ず政治に生かしてまいります」
最終盤にかけて、政権交代の実現を訴え、立憲民主党への追い風につなげたいとしています。